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2026年07月09日

物流業界の2024年問題とは?影響・対策を徹底解説|運行管理担当者が押さえるべき対応ポイント

物流業界の2024年問題とは?影響・対策を徹底解説|運行管理担当者が押さえるべき対応ポイント

働き方改革関連法に基づきドライバーの時間外労働が制限され、多くの物流事業者が、いわゆる「2024年問題」によるさまざまな影響に直面しています。輸送管理を担う物流事業者の担当者は、問題の背景や概要を理解した上で、深刻な輸送力不足への対策を講じていかなければなりません。 本記事では、物流業界における2024年問題の概要と解決策について解説します。荷主企業との連携が必要なポイントについても見ていきましょう。

物流業界の2024年問題とは?概要をチェック

物流業界における「2024年問題」とは、通称「働き方改革関連法」に基づく、トラックドライバーへの労働時間の規制によって生じる輸送力不足の課題のことです。

2024年4月からドライバーの時間外労働が年960時間に制限され、拘束時間が短くなることから、長距離輸送が困難になることが懸念されています。さらに、物流業界の売り上げ減少や離職者の増加、採用難といった課題が生じる可能性があります。

労働時間規制による課題は、物流事業者だけが考えるべきことではありません。荷主企業や他の業界と協力して、2024年問題の背景や懸念点をきちんと把握し、適切に対策を講じていくことが大切です。

2024年問題が注目される背景

2024年問題が懸念されるようになった背景には、トラックドライバーの長時間労働が深刻化していることが挙げられます。

ドライバーの長時間労働は、若手の人材不足や高齢化による慢性的な人手不足、EC市場の急成長に伴う物流量の増加などが起因しています。また、昔からの取引慣行も要因にあると考えられており、事業主の努力だけでは見直しが困難であるといわれてきました。

働き方改革関連法の概要との関係

では、物流業界が抱える2024年問題の発端ともいえる、「働き方改革関連法」の概要を見ていきましょう。

そもそも「働き方改革」とは、労働者が個々の事情に応じた多様な働き方を、自分で選択できる社会を実現するための改革のことです。働き方改革を実現するため、労働基準法などの法律が改正されました。

働き方改革関連法(改正労働基準法)は、2018年に公布、2019年4月に施行されていますが、例外的に自動車運転の業務については、時間外労働の上限適用が5年間猶予され、一部特例つきで適用されることになりました。5年間の猶予が与えられたことには、長時間労働の背景に業務の特殊性や取引慣行の課題が挙げられます。

ここからは、働き方改革関連法の内容について、より詳しく解説します。

時間外労働の上限が960時間に制限

全日本トラック協会が実施した2021年度の労働状況に関するモニタリング調査によると、「年960時間越のドライバーがいる」との回答が全体では27.1%、長距離ドライバーにいたっては48.1%となっています。多くの事業者において、ドライバーの長時間労働が常態化していることが分かります。

こうした中、自動車運転業務では、2024年4月より、時間外労働の上限を原則「月45時間・年360時間」とし、特別条項付き36協定を締結する場合の年間の時間外労働の上限が年960時間に制限されることになりました。

特別条項付き36協定を締結しない場合は、以下の規定が適用されます。

・時間外労働と休日労働の合計:「月100時間未満」「2〜6ヶ月平均80時間以内」
・時間外労働が月45時間を超えられるのは年6ヶ月まで

なお、時間外労働時間の上限規制に違反した場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。

出典:全日本トラック協会のモニタリング調査

時間外労働に「割増賃金率50%以上」が適用

労働基準法のもとでは、大企業では時間外労働に対する割増賃金率50%、中小企業については原則25%以上となっていました。しかし、働き方改革関連法の施行により、月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率が、全ての企業で50%以上となりました。

月60時間を超えるドライバーを多く抱える事業者では、人件費の上昇を抑制するために、効率的な配送計画を立てる必要性が高まっています。

勤務間インターバル制度の導入

働き改革関連法の施行により、事業者における勤務間インターバル制度の導入が努力義務となりました。勤務間インターバル制度とは、1日の勤務終了後から翌日の始業時刻までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設けることです。

具体的には、従来休息期間が「継続8時間」であったところ、2024年4月から休息時間を11時間以上確保することが努力義務となり、9時間を下回らないことが定められました。なお、9時間を下回る場合は、運行終了後に継続12時間以上の休息期間を設けなければなりません。

勤務間インターバル制度の導入で一人のドライバーが長時間かけて商品を運送することが難しくなりました。運送事業者では、配送方法の変更を行う、ドライバーの新規採用を進めるといった対応策が必要です。

同一労働・同一収入の適用

「同一労働・同一収入」の適用についても、盛り込まれています。

同一労働・同一収入とは、同一企業・団体での正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)との間で、基本給や賞与などの不合理な待遇差の解消を実現するものです。これにより、どのような雇用形態を選択しても、納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を選べるようになります。

また、非正規雇用労働者から求めがあった場合には、待遇の差に関して理由を説明しなければなりません。

非正規雇用労働者のドライバーを雇用している事業者は、正規雇用労働者との不合理な待遇差をなくすために、公正な評価制度を採用していく必要があります。

拘束時間の短縮

拘束時間とは、使用者が拘束している時間のことで、労働時間と休憩時間の合計を指します。

1日の拘束時間は施行前と変わらず13時間ですが、最大拘束時間が変更されました。具体的には、従来は最大拘束時間が16時間で、15時間超は週2回まででしたが、施行後は最大15時間、14時間超は週2回までとなったことが変更点です。

また、施行前の年間拘束時間は、原則3,516時間以内、1ヶ月の拘束時間は293時間以内(労使協定により、年6ヶ月まで320時間まで延長可)でした。しかし、施行後の拘束時間は以下のように変更となりました。

<施行後の拘束時間>
1年の拘束時間:原則3,300時間以内、例外(※)として労使協定により3,400時間以内
1ヶ月の拘束時間:原則284時間以内、例外(※)として労使協定により6ヶ月まで310時間以内

※労使協定により延長可(以下の要件を満たす必要がある)
・284時間超は連続3ヶ月まで
・1ヶ月の時間外・休日労働時間数が100時間未満となるよう努める

連続運転時間の中断が「休憩」になった

連続運転時間とは、1回概ね10分以上、かつ、合計30分以上の運転を中断せず連続して運転する時間を指します。連続運転時間は、施行前と変わらず原則4時間で、それを超える場合は「休憩」を合計30分以上確保する必要があります。

連続運転時間の中断について、施行前は「非運転時間」とされており、荷積みや荷卸しの作業時間も含まれていましたが、施行後は「休憩」でなければ認められなくなりました。

なお、例外的に、サービスエリアやパーキングエリアに駐停車できない場合など、やむを得ない事情があれば、連続運転時間を4時間30分まで延長できるとしています。

2024年問題が物流業界に与える影響

物流事業者は、働き方改革関連法の概要と物流業界へのさまざまな影響を把握しておくことで、実効性のある対策を講じられるようになります。

ここでは、2024年問題の具体的な影響について見ていきましょう。

荷主や消費者への商品調達が困難になる

ドライバーへの労働時間の制限により、従来可能とされていた期間で商品を輸送することが困難になり、荷主や消費者のニーズに応えられなくなる場合があります。

また、荷主企業にとっても、商品調達が困難となり消費者への商品の提供が難しくなるという側面があるため、2024年問題によるさまざまな影響について物流事業者と荷主企業が連携して効率的な運送計画を立てることが重要です。

物流事業者の収益が減少

ドライバーへの規制の強化は、物流業界の売り上げ減少に直結します。時間外労働時間の上限規制が適用されれば、積載量が減り、結果として物流事業者全体における業務量の減少につながるためです。

改正前と同量の荷物を運ぶためには、新規ドライバーを採用したり、業務効率を高めたりする対策が必要です。

ドライバーの収入減少と人員流出の可能性

前述の通り、時間外労働が月60時間を超える場合、全ての企業で割増収入が50%に上がります。そうした状況下で、物流事業者が人件費削減のためにドライバーの時間外労働時間を月60時間以内に抑えようとすれば、ドライバーの収入が減少する可能性があります。

ドライバーの収入が減って現状の労働環境への不満が高まれば、人員が流出したり、募集が集まらなかったりして、人材不足に拍車がかかります。物流事業者は、ドライバーを増員するなどの対策が必要です。

荷主企業への影響

2024年問題への対策を考える上では、荷主企業との連携が欠かせません。ここでは、荷主企業に対する影響について見ていきましょう。

運賃の値上げ

2024年問題により物流事業者の売り上げが減少すれば、その分を運賃の増加でカバーすることになります。物流事業者との運賃交渉によって、荷主企業が負担する運賃が値上がりする可能性もあります。

他社との差別化を図るために「送料無料」のサービスを行う企業もありますが、運賃の値上げが決定すれば、こうしたサービスの提供が難しくなるでしょう。

従来の輸送を維持できなくなる可能性

ドライバーの時間外労働が制限されれば、短い日数での長距離輸送の依頼に対応してもらえない可能性も出てきます。そうすると、荷主企業が従来行っていた輸送を維持できなくなる可能性もあるでしょう。

物流業界が行うべき2024年問題への主な対策

2024年問題の概要や影響について押さえたところで、ここからは業務への影響を最小限に抑えるために必要な物流事業者が取るべき対策について解説します。

労働環境の向上

物流事業者がドライバーの人手不足を解消するためには、労働環境・条件を改善することが必要です。

ドライバーの人手不足には、長時間労働や給与水準が起因しているといわれています。そして、働き方改革関連法の施行で労働時間が規制されるとドライバーの収入が減り、さらなる人材の流出に歯止めが利かなくなる可能性もあるでしょう。

ドライバーには、時間外労働の上限規制や勤務間インターバル、拘束時間などの働き方改革関連法の施行内容に基づいた柔軟な働き方を提案することが重要です。

職場環境が改善されれば、魅力的な企業として新たな人材の採用・育成につなげられます。

労働時間の適正管理

ドライバーは運転業務で外を日夜移動することが多いため、適切に労働時間を管理することが難しいといわれています。そうした中で、働き方改革関連法が施行され、ドライバーの時間外労働の上限が規定されたり、拘束時間が短縮されたり、これまで以上に労働時間の厳正な管理が求められるようになりました。

物流事業者は、車両やドライバーの安全を守るために、勤怠管理システムを導入し、法の施行に基づいて適切な勤怠管理を行うことが大切です。意図せず法令に違反し、行政処分が課されるような事態も避けられます。

ドライバーの労働時間を適切に管理することは、車両や従業員の安全性を高めることにもつながります。車両の位置情報をリアルタイムに把握でき情報を一元管理できるTTSソリューションなら、車両管理業務の効率化を実現できます。

ドライバーの確保

2024年問題によるドライバーの収入減などが原因となり、物流業界の人手不足が慢性化しています。物流事業者は人手不足を解消するため、例えば、女性や高齢者ドライバーの積極的な採用を推進するなど、幅広い人材の採用にシフトすることが必要です。そして、人手不足解消には、人材の採用だけでなく、定着させる取り組みが欠かせません。

産休・育休制度の整備や福利厚生の充実を図ることで、誰もが働きやすい環境を構築する必要があります。

2024年問題についての広報活動を進める

働き方改革関連法の施行による影響は、物流事業者の他にも、荷主企業や消費者などにも及ぶ可能性があります。効率的な輸送計画を立て、遂行していくためには、2024年問題を社会全体できちんと認識していくことが重要です。そのために、物流事業者は、広報活動を進め、2024年問題の概要や影響について社会に伝えていきましょう。

ITシステムの導入

2024年問題によるさまざまな影響を最小限に抑えるためには、ITシステムの導入で業務効率化を図ることが必要です。輸送管理をデジタル化することで、人件費を削減させることにもつながります。

輸送管理で業務効率化を進め、2024年問題の解決に役立つITシステムには、主に以下があります。
・輸配送管理システム
・GPSトラッカー
・トラック予約システム
・勤怠管理システム

ただし、事業内容や方針、扱う商材などによって、導入すべきシステムは異なります。自社に適した方法で、必要なシステムの導入を検討しましょう。

なお、ITシステムの導入には、ドライバーなどへのシステム利用に向けた周知が必要です。また、操作に慣れるまでに時間がかかることも留意しておきましょう。

TTS株式会社が提供する車両動態管理システムなら、リアルタイムに車両の位置を把握できます。正確な到着時間の案内や進捗状況の共有が可能となり、顧客満足度の向上にも貢献できるでしょう。

運送会社だけでは解決できない|荷主との連携が重要

物流業界における2024年問題への対応には、物流事業者と荷主企業との連携が必要です。円滑な輸送管理を実現するために、ここでは、連携して取り組むべき対策について解説します。

共同配送や積み合わせの活用

2024年問題による輸送力不足に対応するために、1台のトラックでより多くの荷物を運べるようにして積載率を向上させることが必要です。

積載率を高める方法には、荷物の共同配送や積み合わせの活用が挙げられます。例えば、同じ業界内で混載相手を募集して同じ届け先へ一緒に輸送したり、重い荷物と軽い荷物を組み合わせたりする方法です。

結果として、ドライバーの人手不足や拘束時間が短縮されている中でも、配送能力を維持できる可能性があります。

以下に、積載率向上で期待される効果をまとめました。

<積載率向上で期待される効果>
・ドライバー不足の解消
・運送事業者の収益確保
・荷主企業の輸送コスト削減
・CO2排出量削減

モーダルシフトの検討

トラックでの長距離輸送では、商品の発注から到着までにかかるリードタイムが長くなりやすい傾向があります。2024年問題で輸送力が不足し、リードタイムの短縮に課題を抱えている場合には、モーダルシフトを進める方法もあります。モーダルシフトとは、トラックなどの自動車で行われている貨物輸送を小さい鉄道や船舶の利用へと転換することです。環境負荷の軽減効果が大きな取り組みといわれています。

貨物輸送の場合、リードタイム短縮に効果的である他、輸送コストやCO2削減に役立つ利点がある一方、利用できるルートが限定されるという留意点もあります。

円滑な輸送管理を実現するためには、事前に輸送ルートやコストなどのシミュレーションを行うことが重要です。

中継輸送の検討

前述したモーダルシフトにも、デメリットや留意点もあります。モーダルシフトでの対応が難しい場合は、中継輸送という輸送形態を選択することが効果的です。

中継輸送には、主に以下の方法があります。
・中継拠点でドライバーを交代する
・中継拠点でトラクターヘッドを交換する
・中継拠点で貨物を積み替える

貨物を積み替える方法を検討する場合、中継拠点での積み替え作業に時間がかかる点に注意しましょう。

中継輸送は、輸送コストが上昇しやすいという点がデメリットです。しかし、ドライバーの拘束時間を短縮でき、休息期間が不要となるため、従来の輸送にかかるリードタイムを維持できる可能性もあります。

荷待ち・荷役時間削減

荷待ち・荷役時間の削減も、輸送力不足を解消する対策として効果的です。

予約受付システムを導入すれば、集荷・配達先でのトラックの荷待ち時間を削減できます。倉庫側が、到着する商品数や時間を事前に把握した上で受入準備を進められるため、倉庫側の生産性向上に寄与するでしょう。

また、手積み・手卸しなどによる長時間の荷役作業は、ドライバーの拘束時間が長くなる原因になります。

以下の方法で荷役時間を削減することが可能です。
・パレットやダンボールの外装サイズを統一化
・一貫パレチゼーションの導入(商品をパレットに積んだまま物流業務を実施する方法)

拠点を分散させる

コストや手間の側面においてハードルの高い対策ですが、1日で納品できる拠点を増やす方法を選択する荷主企業もあります。拠点を分散化させれば、輸送コストの削減が見込めます。

ただし、拠点が変わることで、物流ネットワークや在庫配置などの見直しが必要となる他、新規で設置した拠点の管理費用や運営コストなどが増加するデメリットもあります。

2024年問題への対策にはTTSソリューションの導入がおすすめ

2024年問題は、物流事業者や荷主企業にさまざまな影響を与えます。他の業界などとも連携して、輸送管理の業務効率化を図ることが必要です。

TTS株式会社が提供する車両動態管理システムなら、リアルタイムな車両位置を把握できる他、業務日報や安全運転の記録もまとめて管理でき、バックオフィス業務や配送の効率化を期待できます。

最後に、2024年問題による影響を最小限に抑えたいという物流事業者におすすめの機器を紹介します。

・AIドライブレコーダーDAI-02A:最大3台のカメラ接続に対応。ADASやDMSといった高度な視覚AIアルゴリズムを搭載。緊急通報ボタンや危険検知時の映像を自動的にクラウド保存する機能も標準搭載
・車両内部設置型 GPSトラッカーTNK-01A:GPS追跡から遠隔制御まで、あらゆる車両管理に対応。アクセサリー(ACC)の検出、リモートカットオフ機能、さまざまなI/Oを備えており、効率を高めるためのカスタマイズが可能
・シガーソケット型 GPSトラッカーTNK-02A:シガーソケットに差し込むだけで、どの車両にも簡単に設置できる。車両の状態を追跡するのに最適

まとめ|ITシステムの活用で2024年問題を乗り切ろう

本記事では、物流業界における2024年問題の概要と対策について解説しました。2024年問題とは、働き方改革関連法によるドライバーへの労働時間規制で生じる輸送力不足の課題のことです。

2024年4月からトラックドライバーの時間外労働が制限され、拘束時間が短縮されることから、長距離輸送が困難になることが懸念されています。本記事を参考にして効率的な輸送管理を進め、2024年問題による輸送力不足を克服しましょう。

輸送業務の効率化を図るためには、自社に合う形でITシステムを導入することをおすすめします。

TTSが提供する車両動態管理システムなら、煩雑なバックオフィス業務も効率化できます。気になる物流事業者の担当者は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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