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2026年07月09日

アルコールチェック記録簿の作成・保存方法を解説|必要項目・記入例・管理方法まで

アルコールチェック記録簿の作成・保存方法を解説|必要項目・記入例・管理方法まで

社用車・営業車・配送用車両などを複数台管理している企業では、アルコールチェック記録簿の運用が煩雑になりやすいものです。しかし、アルコールチェックと記録は、飲酒運転を防ぐだけでなく、企業として安全運転管理を行っていることを示す重要な証拠でもあります。

一方で、紙やExcelで運用している場合、記入漏れ・確認漏れ・記録の紛失・Excelファイルの属人化などが起こると、必要な時に確認内容を示せないリスクがあります。特に、車両台数や拠点数が多い企業では、保存管理や直行直帰時の対応が複雑になります。

本記事では、アルコールチェック記録簿について、作成・運用・保存方法を詳しく解説します。

目次

【基礎知識】安全運転管理で重要なアルコールチェック記録簿とは

アルコールチェック記録簿は、社内で車両利用を管理するためだけの表ではありません。

安全運転管理者が運転者の酒気帯びの有無を確認し、確認結果を後から確認できる形で残すための重要な記録です。本記事では、本記事では、主に白ナンバーの社用車・営業車・配送用車両などを使用し、安全運転管理者の選任対象となる事業所向けに解説します。

なお、緑ナンバーのトラック・バス・タクシーなどは、運行管理者による点呼記録簿で酒気帯び確認の結果を管理するのが一般的です。白ナンバー車両のアルコールチェック記録簿とは、根拠となる制度や記録の扱いが異なります。

アルコールチェック記録簿は酒気帯び確認の結果を残すための記録

アルコールチェック記録簿とは、運転者に対して行った酒気帯び確認の結果を記録するための書類やデータです。安全運転管理者や補助者が確認を行い、運転前後の確認内容を記録として残します。

記録簿には、「誰が」「いつ」「誰に対して」「どの車両を運転する前後に」、酒気帯びの有無を確認したかを記載します。併せて、対面・電話・カメラ・アルコール検知器など、どのような方法で確認したかも残す必要があります。

道路交通法施行規則では、安全運転管理者の業務として、運転前後の運転者に対する酒気帯び確認が定められています。2022年4月1日からは確認内容の記録・保存が必要になり、2023年12月1日からはアルコール検知器を使った確認も義務化されました。車両台数が増えるほど確認件数も増えるため、記録管理の体制づくりが重要です。

安全運転管理者は確認内容を記録し1年間保存する必要がある

安全運転管理者は、運転者に対して実施したアルコールチェックの内容を記録する必要があります。確認を行うだけでは不十分であり、確認日時や確認方法、酒気帯びの有無などを後から確認できる形で残すことが大切です。

そして、アルコールチェック記録簿は、確認後1年間保存する必要があります。保存期間中は、社内確認や事故発生時の確認など、必要な場面ですぐ記録内容を確認できる状態にしておかなければなりません。

保存期間を把握していない場合、必要な記録を誤って破棄する恐れがあります。過去の確認内容を確認できなくなると、企業が酒気帯び確認を適切に実施していたかを説明しにくくなるため、保存期間と保管場所を社内で明確にしておく必要があります。

アルコール検知器を使って酒気帯びの有無を確認する必要がある

安全運転管理者は、アルコール検知器を使って酒気帯びの有無を確認できる体制を整える必要があります。目視などによる確認だけでなく、アルコール検知器を用いた確認を実施し、確認内容を記録として残すことが求められます。

アルコール検知器は、正常に作動し、故障がない状態で使用できるように管理する必要があります。電池切れや故障がある状態で保管していると、必要なタイミングで確認を実施できず、酒気帯び確認の運用に支障が出る可能性があります。

日常的な確認業務を安定させるには、「検知器の保管場所」「点検頻度」「故障時の対応」を社内で決めておくことが重要です。複数拠点で車両を管理している企業では、拠点ごとに使用できる検知器を確保し、管理状況を確認する体制も必要になります。

記録簿は必要な時にすぐ確認できる状態で管理する必要がある

アルコールチェック記録簿の保存形式は、紙・Excel・クラウドシステムなどから自社の運用に合わせて選べます。法令上の確認内容を満たしていれば、必ずしも特定の様式に限られるわけではありません。

ただし、保存形式にかかわらず、必要な記録をすぐ確認できる状態で管理することが重要です。「保存期間中に記録が見つからない」「記入内容が読み取れない」「一部記録が消えている」といった状態では、酒気帯び確認の記録として機能しにくくなります。

特に、紙の記録簿は、紛失や保管場所の不足が課題になりやすい方法なので注意が必要です。Excel管理の場合、上書きミスはファイルの分散が起こる可能性があります。

車両台数や拠点数が多い企業では、記録を一元管理できる仕組みを整えることで、安全運転管理者の確認作業の負担を減らしやすくなります。

アルコールチェックの対象となる企業・事業所

アルコールチェックは、安全運転管理者の選任対象となる事業所に義務付けられています。一定台数以上の自動車を使用する以下のような事業所では、安全運転管理者の選任が必要です。

 

  • 乗車定員が11人以上の自動車を1台以上使用している
  • 乗車定員が11人未満の自動車を5台以上使用している
    ※大型自動二輪車や普通自動二輪車は、1台を0.5台として計算する

 

対象になるかどうかは、会社全体ではなく、車両を使用・管理する事業所ごとに確認します。例えば、会社全体で10台の車両を保有していても、A営業所で3台、B営業所で4台、C営業所で3台を管理している場合は、各営業所の台数をもとに選任要否を判断します。

安全運転管理者の選任対象となる事業所では、運転前後の酒気帯び確認、確認内容の記録、記録の1年間保存が必要です。さらに、アルコール検知器を使った確認も義務化されているため、検知器を常時有効に使える状態で管理する必要があります。

選任対象外の事業所であっても、業務中の飲酒運転を防ぐためには社内ルールの整備が重要です。確認方法や記録方法をあらかじめ決めておくことで、車両台数が増えた場合にも安全管理の体制を見直せます。

アルコールチェック記録簿に必要な記録項目

アルコールチェック記録簿には、法律上決まった専用様式はありません。ただし、確認内容を正しく残すには、確認者・運転者・車両・確認日時・確認方法・酒気帯びの有無など、押さえるべき項目があります。

自社で記録簿のフォーマットを作成する場合も、必要な項目が抜けないように記録欄を整えることが重要です。

確認者と運転者の情報

アルコールチェック記録簿には、確認者と運転者の情報を記録します。誰が誰に対して酒気帯び確認を行ったのかを明確にするため、以下の項目を記載します。

 

  • 確認者名
  • 運転者名
  • 所属部署
  • 社員番号

 

確認者名には、酒気帯び確認を行った安全運転管理者や補助者の氏名を記載します。運転者名には、実際に車両を運転する従業員の氏名を残します。

確認者と運転者を分けて記録することで、誰が誰に対して確認を行ったのかを後から把握しやすくなります。確認者欄が空欄のままだと、確認作業を誰が担当したのか分からず、記録として不十分になりやすい点に注意が必要です。

同姓同名の従業員がいる企業や、複数拠点で車両を管理している企業では、所属部署や社員番号も併記すると管理がスムーズになります。氏名だけで判断しにくい場合でも、部署名や社員番号があれば、対象者を容易に特定できます。

運転業務と車両の情報

アルコールチェック記録簿には、運転業務と車両の情報も記録します。どの業務でどの車両を使用した際の確認結果なのかを明確にするため、以下の項目を記載します。

 

  • 運転業務の内容
  • 車両番号
  • ナンバープレート
  • 社内の車両管理番号

 

運転者の業務内容には、営業訪問・配送・現場移動・送迎など、その日に車両を使用する目的を記載します。業務内容を残しておくと、運転日報や車両利用実績との照合に役立ちます。

車両番号または車両を識別できる情報には、ナンバープレートや社内の車両管理番号を記録します。複数の社用車や営業車を使用している企業では、どの車両を運転する際の確認結果なのかを明確にしておくことが重要です。

業務内容と車両情報を残すことで、確認結果と車両利用の実態を後から確認できます。また、事故やトラブルが発生した場合にも、どの業務でどの車両を使用していたのかを追いやすくなります。

確認日時と確認方法

確認日時には、アルコールチェックを実施した日付と時刻を記録します。確認したタイミングと方法を明確にするため、以下の項目を記載します。

 

  • 確認日
  • 確認時刻
  • 運転前または運転後の区分
  • 確認方法

 

運転前と運転後の両方で確認する場合は、確認日時を分けて記載しましょう。運転前の確認なのか、運転後の確認なのかが分からない記録では、適切なタイミングで確認したことを後から判断しにくくなります。

確認日時と確認方法を記録しておけば、適切なタイミングと方法で確認したかを後から判断できます。直行直帰や出張先での確認がある企業では、遠隔確認の方法も社内ルールとして整理しておくと、記録漏れの防止につながります。

確認方法には、対面・電話・カメラ・ビデオ通話・アルコール検知器などの確認手段を記録します。対面確認と遠隔確認では確認の流れが異なるため、確認方法まで残しておく必要があります。

酒気帯びの有無と指示事項

酒気帯びの有無には、アルコールチェックの結果として問題がなかったか、酒気帯びが認められたかを記録します。確認結果と対応内容を明確にするため、以下の項目に分けて記載します。

 

  • 酒気帯びの有無
  • 測定値
  • 運転可否
  • 指示事項
  • 報告内容

 

問題がない場合も空欄にせず、確認済みであることが分かる記載を残すことが大切です。測定値が出た場合は、数値と確認者の判断を分けて記録しておくと、確認時の状況を後から把握できます。

指示事項には、確認結果を踏まえた運転可否の判断や対応内容を記載します。問題がない場合は運転を認めたことを記録し、酒気帯びが疑われる場合は運転中止・代替ドライバーの手配・上長報告などの指示を残します。

特に異常があった場合は、測定値や確認時の状況だけでなく、「運転を認めたか」「誰に報告したか」「どのような指示を出したか」まで残しておく必要があります。

その他必要な事項

その他必要な事項には、通常の項目だけでは説明しきれない補足情報を記録します。自社の運用に合わせて、以下のような項目を追加できます。

 

  • 運転者の体調不良
  • アルコール検知器の不具合
  • 遠隔確認時の補足
  • 再確認の有無
  • 確認場所
  • 検知器番号
  • 走行予定

 

体調不良や検知器の不具合があった場合は、確認結果だけでは状況を把握しにくくなるため、補足欄に経緯や対応内容を残しておきましょう。

複数の検知器を使っている企業では、検知器番号を残しておくと、後から使用機器を確認できます。直行直帰や複数拠点で運用している場合は、確認場所や遠隔確認時の補足も記録しておくと管理の精度を高められます。

ただし、自社独自の管理項目を増やし過ぎると、現場の記入負担が増えます。補足欄や追加項目は、後から確認する必要性が高い内容に絞り、日常的に継続しやすい記録簿に整えることが重要です。

アルコールチェック記録簿の記入例とテンプレート

引用:北海道警察「酒気帯び有無確認記録表(記載例)

アルコールチェック記録簿には、法律上決まった専用様式はありません。ただし、確認者名・運転者名・確認日時・確認方法・酒気帯びの有無など、必要な項目を漏れなく記録する必要があります。

公共機関が公開している様式例や無料テンプレート、Excelひな形は、記録簿を作成する際の参考になります。自社の車両台数・拠点数・直行直帰の有無に合わせて、確認場所や検知器番号などの欄を追加すると、現場の運用に合った記録簿を作成できます。

なお、アルコール検知器で基準値以下の数値が出た場合も、測定値は記録簿に残しましょう。取り締まり上の酒気帯び運転は、呼気1L中0.15mg以上が1つの基準ですが、基準値未満でも数値が出た場合は、確認結果と運転可否の判断を記録しておく必要があります。

アルコールチェックを実施しない場合や記録漏れがある場合のリスク

アルコールチェック記録簿の不備は、単なる担当者のミスでは済まない場合があります。確認漏れや記録漏れがあると、法令対応の不備と見なされる恐れがあり、事故発生時には企業の管理体制も問われます。

ここからは、アルコールチェックと記録・保管を適切に行わなかった場合のリスクについてお伝えします。

アルコールチェックを実施していないと企業の法令対応に不備が生じる

安全運転管理者には、運転前後の運転者に対して酒気帯びの有無を確認し、その内容を記録して1年間保存することが求められています。アルコールチェックを実施していない場合、安全運転管理者の業務として必要な確認を行っていない状態です。

確認を行わないまま業務運転を続けると、企業として飲酒運転を防ぐ管理体制が不十分と見なされる恐れがあります。特に、社用車・営業車・配送用車両を複数台使用する企業では、運転者任せの運用では確認漏れが起こりやすくなります。

法令対応の不備を防ぐには、「誰が確認するか」「いつ確認するか」「どこに記録するか」を社内で決めておくことが重要です。安全運転管理者だけに負担を集中させず、補助者や各拠点の担当者も含めた確認体制を整えましょう。

記録漏れがあると確認を実施した証拠を残せない

アルコールチェックを実施していても、記録が残っていなければ、後から確認内容を示すことが難しくなります。確認した事実を説明するためには、確認日時・確認者名・運転者名・確認方法・酒気帯びの有無などを漏れなく残さなければなりません。

一部の項目が空欄のままだと、適切に確認を行った記録として不十分と判断される可能性があります。例えば、確認者名がない場合は誰が確認したのか分からず、確認方法がない場合は対面確認か遠隔確認かを判断できません。

事故やトラブルが発生した際に記録が不足していると、企業がどのような手順で確認を行っていたかを説明しにくくなります。確認した事実を残すためには、記録項目を統一し、現場が迷わず入力できる運用を整えることが重要です。

飲酒運転や事故が発生した場合に企業の管理責任を問われる恐れがある

従業員が酒気帯び状態で業務運転を行い事故を起こした場合、運転者本人だけでなく企業の管理体制も問題視される恐れがあります。アルコールチェックの未実施や記録漏れがあると、飲酒運転を防ぐために必要な管理を行っていたことを示しにくくなります。

安全運転管理者や管理部門が確認ルールを整備していなかった場合、社内外から管理責任を問われるリスクが高まります。特に、車両を日常的に使用する企業では、確認体制の不備が事故後の説明や再発防止策にも影響します。

飲酒運転や事故が発生すると、事故後の対応・取引先への説明・社内処分・再発防止策の策定など、企業活動全体に大きな負担が生じかねません。日頃から確認結果と指示事項を残しておくことで、企業として取った対応を説明しやすくなります。

企業や安全運転管理者が是正対応や責任を問われる恐れがある

安全運転管理者の業務が適切に行われていない場合、安全運転管理者本人だけでなく、選任・管理する企業側の体制も問題視されかねません。一定台数以上の自動車を使用する事業者は、安全運転管理者を選任し、公安委員会へ届け出る義務を負います。

安全運転管理者が業務を適切に行わず、自動車の安全な運転が確保されていないと認められる場合、公安委員会から解任命令を受けることもあります。アルコールチェックの未実施や記録漏れが続く運用は、安全運転管理体制の不備と見なされることも考えられます。

企業としてリスクを抑えるには、確認方法・記録項目・保存場所・点検頻度を社内ルールとして明確にすることが重要です。不備が見つかった場合も放置せず、記録簿の様式や確認フローを見直し、継続して運用できる体制を整えましょう。

アルコールチェックの実施方法

記録簿を正しく作成するには、記入項目だけでなく運転前後の確認フローを統一することが重要です。確認内容や記録のタイミングを決めておけば、確認漏れや記録漏れを防ぎやすくなります。

運転前に確認する内容

運転前には、運転者の顔色・呼気の状態・応答の様子などから酒気帯びの有無を確認します。併せて、アルコール検知器を使い、数値や反応に問題がないかもチェックします。

数値が出た場合は、測定値だけでなく、「運転を認めたか」「確認者がどのように判断したか」も記録しておくことが重要です。問題がなければ、運転開始を認めた旨を記録します。

未確認のまま出発すると、必要な確認を行った事実を後から証明しにくくなります。運転者と確認者の間で、チェックと運転を始める前のルールを徹底しましょう。

運転後に確認する内容

業務終了時点でも、酒気帯びの有無や異常の有無を確認します。必要に応じて、業務中の状況や帰社後の様子なども補足事項として残します。

運転後の確認日時は、運転前の記録と分けて記載して下さい。確認日時を分けることで、運転前後のどちらの記録なのかを後から判断できます。

運転後のチェックは忘れやすいため、帰社時や日報提出時のフローに組み込むと確実です。確認者が不在になりやすい時間帯は、補助者による対応や遠隔確認のルールもあらかじめ決めておきましょう。

対面で確認する場合の流れ

対面確認では、確認者が運転者の状態を直接見て、酒気帯びの有無を判断します。アルコール検知器を使用する場合は、測定結果もその場で確認します。

実施後は、確認者名・運転者名・日時・確認方法・酒気帯びの有無・検知器の測定結果などを記録簿に残します。確認結果だけでなく、確認方法まで記録しておくことが重要です。

対面確認は、運転者の状態を直接把握できる方法です。一方で、直行直帰や複数拠点での運用には向かない場合があります。物理的な対面が難しいケースを想定し、代替となる確認ルールを整える必要があります。

直行直帰や遠隔地で確認する場合の流れ

酒気帯び確認は対面が原則ですが、直行直帰や出張先など対面確認が難しい場合は、電話・カメラ・ビデオ通話などを使って確認します。遠隔確認では、運転者の様子とアルコール検知器の測定結果を確認し、必要項目を記録簿に残します。

確認方法には、「ビデオ通話で運転者の状態と測定結果を確認した」「電話で応答の様子を確認し、測定結果の報告を受けた」など、具体的な内容を記載します。測定結果の画像だけで済ませず、運転者の状態確認と併せて実施することが重要です。

検知器の結果を画像やシステムで共有できる仕組みがあれば、記録の正確性を高められます。手順が曖昧なままだと不備が起こりやすいため、運転者と確認者の対応ルールを事前に統一しておきましょう。

安全運転管理者が押さえるべき運用ルール

アルコールチェック記録簿は、作成して終わりではなく、毎日継続して記録・確認できる状態を保つことが重要です。安全運転管理者は、担当者の役割分担や記録内容の確認方法を決め、現場ごとの運用差や確認漏れを防ぐ体制を整える必要があります。

続いては、管理者側が抑えておくべき、アルコールチェックの運用ルールについて見ていきましょう。

安全運転管理者・補助者の役割を決める

安全運転管理者は、アルコールチェックの実施体制や記録管理の中心となる担当者です。日々の確認を確実に行うためには、安全運転管理者だけでなく、副安全運転管理者や補助者の役割も明確にしておく必要があります。

副安全運転管理者や補助者を置く場合は、誰がどの時間帯や拠点を担当するかを決めます。例えば、朝の出庫前は本社の担当者、帰社後は各拠点の補助者が確認するなど、担当範囲を具体化しておくと運用が安定します。

確認者が不在のときの代替対応も事前に決めておきましょう。役割分担が曖昧なままだと、確認作業が特定の担当者に偏り、担当者の不在時に確認漏れが起こりやすくなります。

運転者にルールを周知する

運転者には、運転前後にアルコールチェックを受ける必要があることを周知します。確認者だけがルールを把握していても、運転者が手順を理解していなければ、確認漏れや記録漏れにつながります。

周知する内容は、チェックを受けるタイミング・記録する項目・報告方法などです。出社後すぐに確認を受けるのか、車両使用前に確認するのか、帰社後に誰へ報告するのかまで具体的に伝えます。

直行直帰時や出張時の確認方法も、運転者が迷わないように共有しておくことが重要です。ルール周知が不十分な場合、現場判断で対応が分かれ、記入漏れや確認漏れが発生しやすくなります。

毎日の確認フローを社内で統一する

アルコールチェックを継続するには、毎日の確認フローを社内で統一することが重要です。出社時・運転前・帰社時・運転後など、確認を行うタイミングを決めておくと、担当者が変わっても同じ手順で対応できます。

併せて、記録簿への入力順序や確認者への報告方法も決めておきます。例えば、「運転者が測定する」「確認者が結果を確認する」「確認者が記録簿を確認する」のように、手順を分けると現場での混乱を防げます。

拠点ごとに異なる運用をしている場合は、最低限必要な確認項目を共通化しましょう。確認フローを統一すれば、記録のバラつきを抑え、全社で同じ水準の管理を行えます。

記録内容を確認するタイミングを決める

安全運転管理者は、記録簿が正しく記入されているかを定期的に確認します。記録を残すだけでなく、必要項目の抜けや不自然な記録がないかを確認することも運用上の重要な作業です。

確認頻度は、毎日・週次・月次など、自社の車両台数や運転頻度に合わせて決めます。車両台数が多い企業や直行直帰が多い企業では、記録漏れを早めに見つけるため、短い間隔で確認する体制が向いています。

記入漏れや不自然な記録があった場合は、早めに運転者や確認者へ確認しましょう。アルコールチェックの実施とは別に、記録内容を点検するタイミングを決めておかないと、記録漏れが長期間放置されるおそれがあります。

直行直帰や複数拠点での確認ルールを整備する

直行直帰が多い企業では、遠隔確認の方法と記録手順を事前に決めておく必要があります。電話・カメラ・ビデオ通話などを使う場合も、確認者が何を確認し、どこに記録するかを明確にしておきます。

複数拠点で運用する場合は、本社が各拠点の記録状況を確認できる仕組みも重要です。拠点ごとに紙やExcelで管理していると、記録の集約に手間がかかり、確認状況の把握が遅れる可能性があります。

電話やビデオ通話で確認する場合は、確認結果を入力する記録先を統一しましょう。拠点ごとの運用差が大きいと、記録の品質や確認状況に差が出やすいため、全社共通のルールを整えることが大切です。

酒気帯びが確認された場合の対応を決めておく

酒気帯びが確認された場合は、運転を認めず、車両の使用を中止させます。現場の判断が遅れないように、異常があった場合の対応手順をあらかじめ決めておくことが重要です。

対応方法としては、代替ドライバーの手配・公共交通機関の利用・業務予定の変更などが考えられます。運転者本人に判断を任せず、安全運転管理者や上長が運転回避の指示を出せる体制を整えましょう。

記録簿には、確認結果・管理者の指示・運転中止の判断・上長への報告内容を残します。酒気帯びが確認された場合の対応ルールを事前に決めておけば、現場判断の遅れや対応漏れを防げます。

アルコールチェック記録簿の運用で起こりやすい課題

アルコールチェックや記録の保管では、必要項目や社内ルールを決めても、日々の運用で不備が起こることはあり得ます。特に、紙やExcelで管理している場合は、記入漏れ・確認遅れ・保管ミスなどが発生しやすいため、現場で続けられる管理方法を整えることが重要です。

運転者の記入漏れや確認者のチェック漏れが起こりやすい

アルコールチェック記録簿の運用では、記入や確認を人の注意力だけに頼るほど不備が残りやすくなります。業務開始前や帰社後は、出発準備・日報作成・次の業務対応などが重なり、運転者が記録を後回しにしがちです。

確認者が他の業務を兼務している場合、記録内容の点検も後回しになりやすくなります。ダブルチェックをしていても、確認件数が増えれば見落としが発生する可能性は残ります。

特に、紙やExcelでは、担当者が記録簿を見直すまで未記入や未確認に気付きにくい点が課題です。運転者数や確認回数が増えるほど、目視で不備を探す負担も大きくなります。

紙の記録簿は紛失・保管スペースの不足が発生しやすい

紙の記録簿は、記録が増えるほど保管と検索の負担も重くなります。ファイルやバインダーで管理する場合、保存期間中の記録を置くスペースを確保しなければなりません。

拠点ごとに紙で保管している企業では、本社が全体の記録状況を把握しにくい点も問題になります。「各拠点から記録簿を回収する」「写しを送ってもらう」「拠点の担当者とやり取りする」など、確認作業にも手間がかかります。

さらに、紙の記録簿は、紛失・破損・持ち出しによって、必要な記録を確認できなくなる可能性もあります。過去の記録を確認する際も、「保管ファイルを探す」「拠点に連絡する」「写しを取り寄せる」といった作業が発生します。

Excel管理は保存場所の属人化・上書きミスが起こりやすい

Excel管理は、低コストで始められ、共有フォルダやクラウドストレージを使えば複数拠点でも共有しやすい方法ですが、保存先や更新ルールが曖昧だと管理が属人化します。

特定の担当者だけがファイルの場所や最新版を把握している状態では、担当者不在時に記録を確認しにくくなります。また、複数人で同じファイルを扱う場合、上書きミスや入力内容の消失にも注意が必要です。誰かが古いファイルに入力したり、別名で保存したりすると、正式な記録がどれなのか判断しにくくなります。

拠点別・月別・担当者別にファイルが分かれている場合、全社の記録状況を集約する作業にも時間がかかります。入力ルールが統一されていないと、日付形式や確認結果の書き方にも差が出るため注意が必要です。

直行直帰や複数拠点の記録を本社で確認しづらい

直行直帰や複数拠点で運用している場合、確認結果が本社に集まりにくくなります。電話やビデオ通話で確認していても、記録が個別メモや拠点ごとのファイルに分散していると、本社側では全体の確認状況を把握しづらくなります。

また、直行直帰の運転者は対面で確認を受ける機会が限られるため、確認後すぐに記録できる環境がないと、報告や入力が後回しになりやすい点も課題です。

さらに、拠点ごとに手順が異なると、記録の細かさや確認フローに差が出ます。本社では確認済みだと思っていても、実際には拠点側で記録が止まっているケースも起こり得ます。

過去の記録をすぐに探せない

過去の記録をすぐに探せないと、社内確認や監査時の対応に時間を取られます。

紙の記録簿では、日付や運転者名を手がかりにファイルを確認する必要があり、保存期間中の記録が増えるほど目的の記録にたどり着くまでの負担も増えます。Excel管理でも、拠点別・月別・担当者別にファイルが分かれていると、必要な期間や運転者の記録を探すだけで時間がかかります。

記録簿を保存していても、必要な時にすぐ確認できなければ、記録を残している意味が薄れてしまいます。車両台数や拠点数が増えるほど、過去の記録を探す作業は安全運転管理者の負担になりやすいでしょう。

アナログ管理からシステム管理へ移行する必要性

紙やExcelでも、アルコールチェック記録簿の管理は可能です。しかし、記録の確認・保存・検索を手作業で行うと負担は大きくなり、前章で挙げたような課題も起きやすくなります。

手作業での管理に限界を感じる場合は、システム管理への移行を検討しましょう。

一元管理で記録の抜け漏れを防ぎやすい

システム管理に移行すると、確認項目を同じ形式で記録できます。入力者・確認者・確認日時などの情報も記録として残るため、「誰が入力したか」「誰が確認したか」を後から追えます。

また、法令上記録が必要な項目を必須項目にしておけば、未入力のまま登録しようとした際にエラーを表示できます。入力が完了するまで保存・送信できないため、記入漏れを防ぎ、安全運転管理者が空欄を1件ずつ探す手間も減らせます。

加えて、紙の記録簿のように、ファイルやバインダーを保管するスペースも不要です。Excel管理で起こりがちなファイルの分散や最新版の取り違えも避けられるため、社内全体で同じ記録を確認できます。

どこからでも車両利用実績と記録内容を照合しやすい

クラウド型のシステムを使うと、直行直帰や外出先からでもアルコールチェックの記録を残せます。本社・営業所・配送拠点などの記録も同じ画面で確認できるため、拠点ごとのファイルを集めたり、担当者へ個別に確認したりする手間がかかりません。

車両を使用した日・運転者名・車両番号・確認日時を同じ仕組みで管理できれば、車両利用実績とアルコールチェック記録を分けずに確認できます。直行直帰の運転者についても、「いつ」「誰が」「どの車両を使い」「確認記録が残っているか」を一連の記録として追うことが可能です。

また、GPSや動態管理と連携できるシステムだと、「どの車両がいつ使われたか」と「必要なアルコールチェック記録が残っているか」を同じシステム内で確認できます。過去の記録も日付・運転者名・車両番号などで探せるので、社内確認や監査時に必要な記録を取り出しやすい点も大きなメリットです。

TTSの動態管理システムならアルコールチェック記録と車両管理をまとめて行える

アルコールチェック記録簿は、必要項目を記録し、1年間保存できる状態で管理することが重要です。ただし、紙やExcelでは、車両台数・拠点数・直行直帰の件数が増えるほど、記入漏れの確認や過去記録の検索に時間を取られます。

TTSの車両動態管理システムは、アルコールチェックに対応している他、危険運転の検知・ジオフェンス・車両とドライバーの紐づけ管理・レポート出力にも対応しています。車両管理とバックオフィス業務をまとめて扱える点が特徴です。

AIドライブレコーダーを活用すれば、走行中の映像や音声をリアルタイムに取得できます。事故予防やリスク管理の強化も含めて、安全運転管理を見直したい場合は、TTSの車両動態管理システムを検討してみてはいかがでしょうか。

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