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2026年08月20日

社用車の費用はどこまで経費になる?購入・リース・維持費の会計処理を解説

社用車の費用はどこまで経費になる?購入・リース・維持費の会計処理を解説

社用車を導入すると、車両本体の購入費だけでなく、ローンの利息・リース料・ガソリン代・車検費用・保険料・修理費など、さまざまな支出が発生します。事業に必要な費用は経費にできますが、購入方法や支出内容によって勘定科目や計上時期が異なるため、全てを同じ方法で処理することはできません。

業務と私用で同じ車を使う個人事業主は、家事按分の基準や記録も必要です。複数の社用車を保有する企業では、車両ごとの維持費や稼働状況を把握しなければ、見直すべきコストを特定しにくくなります。

本記事では、社用車を経費計上できる条件から購入・ローン・リースごとの会計処理、維持費の主な勘定科目まで解説します。走行記録の残し方や、GPSを活用して経費と利用状況を可視化する方法も確認しましょう。

目次

どこまで経費になる?社用車の経費計上の基本ルール

書類と電卓を確認しながら作業している様子

社用車の購入費や維持費は、事業に必要であり、業務で使用した事実を説明できる範囲で経費計上できます。ただし、会社名義でも、業務との関係が不明な支出まで認められるとは限りません。名義や支払方法だけでなく、実際の利用状況と記録を基に判断することが重要です。

個人事業主の場合は、業務利用分と私用分を家事按分します。法人が役員・従業員の私用分を負担した場合は、給与などの経済的利益に該当する可能性があるため、両者の処理を区別しましょう。

業務で使用したことを説明できる費用のみ経費計上する

経費計上するためには、営業先への訪問・商品の配送・現場への移動・取引先の送迎など、売り上げの獲得や事業運営に関係する利用が前提です。会社名義や事業主名義でも、私用が中心であれば購入費や維持費の全額を経費にはできません。

業務と私用で兼用する場合は、業務利用割合に応じた金額を計上します。領収書・請求書に加え、利用日・運転者・訪問先・利用目的・走行距離を車両ごとに記録し、支出額と走行履歴を照合できる状態にしておきましょう。記録方法を統一すると、税務調査でも業務利用の実態を説明しやすくなります。

法人が負担した私用分は給与扱いとなる場合があり、個人事業主は家事按分する

法人は、営業・配送・訪問・送迎など事業活動に使用した費用を経費として処理します。役員・従業員の私用分を負担した場合は、利用者への給与などに該当する可能性があり、役員分は役員給与の損金算入要件も関係します。

個人事業主が業務と私用で兼用する場合は、総走行距離に占める業務走行距離など、合理的な基準で家事按分します。同じ基準を継続して使用し、運転日報・走行履歴などの計算根拠を保存しましょう。

金額の上限ではなく業務上の必要性と金額の妥当性で判断される

社用車の購入価格や年間維持費に、税務上の一律な上限額はありません。ただし、事業内容・売り上げ規模・用途・保有台数・利用頻度などから、業務上の必要性と金額の妥当性を説明できることが前提です。

高級車も、業務利用の実態や車種を選んだ理由を説明できるよう、稟議書・車両管理台帳などを残します。取引先の送迎や長距離移動など、車種選定と事業との関係を示せる資料も保存すると良いでしょう。金額が大きい場合や私用との区分が難しい場合は、購入前に税理士へ相談して下さい。

社用車を購入した場合の会計処理

社用車の購入費は、原則として「車両運搬具」などの固定資産に計上し、減価償却します。購入代金には、車両本体の他、装備品・税金・保険料・登録費用などが含まれるため、請求書明細に沿って処理を分けることが重要です。

取得価額に含める費用、新車・中古車の耐用年数、使用開始時期、償却方法を確認しましょう。

車両本体と購入時の付随費用を取得価額として資産計上する

車両本体と、事業で使用できる状態にするため直接必要となった費用は、原則として取得価額に含めます。装備品は、車両との一体性・取得価額・適用要件に応じて処理します。

支出項目 処理方法 主な勘定科目
車両本体価格 取得価額に算入 車両運搬具
メーカーオプション 車両と一体で使う場合は算入 車両運搬具
常時搭載するカーナビ・ドライブレコーダー・業務用ラック 原則として車両と一括処理 車両運搬具
単独で使用できる装備品 取得価額・適用要件に応じて処理 工具器具備品・消耗品費など
納車費用 原則として算入 車両運搬具
税金・保険料など 支出内容に応じて個別処理 租税公課・保険料など

取得価額300万円の車両を普通預金から支払う場合は、借方に「車両運搬具300万円」、貸方に「普通預金300万円」を計上し、使用開始後に減価償却します。

税金や保険料などを支出の性質に応じて個別に処理する

税金・保険料・登録費用・リサイクル料金は、支払先と支出の性質によって処理が異なります。特に、中古車販売店へ支払う未経過相当額と、行政機関・保険会社へ直接支払う費用を区別します。

支出内容 取得価額への算入 主な勘定科目
車両本体・一体で使用する装備 原則として算入 車両運搬具
行政機関へ納付する自動車税・自動車重量税 原則として算入しない 租税公課
保険会社へ支払う自賠責保険料・任意保険料 算入しない 保険料
中古車購入時の未経過自動車税・自賠責保険料相当額 購入代金の一部として算入 車両運搬具
登録免許税などの法定費用 算入または費用処理 車両運搬具・租税公課
登録代行手数料算入または費用処理 車両運搬具・支払手数料
次の所有者へ引き継がれるリサイクル預託金 算入しない 預託金など
資金管理料金 算入しない 支払手数料など

販売店の請求書・リサイクル券を保存し、明細ごとに処理しましょう。特に中古車では、税金や保険料に見える金額でも、販売店への支払額は購入代金の一部となる場合があります。

取得価額を新車・中古車それぞれの耐用年数で減価償却する

一般用の新車では、普通乗用車などの耐用年数は6年、軽自動車は4年です。貨物自動車・運送事業用車両・特殊用途車などには、車両区分に応じた耐用年数が適用されます。

中古車は、使用可能期間を合理的に見積もれる場合、その年数を耐用年数にできます。見積もりが難しい場合は、法定耐用年数を全て経過した車両を法定耐用年数の20%、一部経過した車両を残存期間と経過期間の20%の合計で算定します。

1年未満の端数は切り捨て、2年未満の場合は2年です。車検証で車両区分・初度登録年月を確認しましょう。

使用開始時期と償却方法に応じて当期の減価償却費を計算する

減価償却は契約日や支払日ではなく、納車後に事業で使用を始めた日から行います。年度途中に使用を開始した場合は、法人は事業年度内、個人事業主はその年の業務使用月数に応じて月割りします。

個人事業主の車両運搬具は、償却方法を届け出ていなければ原則として定額法です。法人は、届出がなく「みなし選定」にも該当しない場合、原則として定率法を用います。
取得価額・使用開始日・耐用年数・償却方法を固定資産台帳へ登録し、適用する償却率と当期の償却額を確認します。取得時期や届出内容によって扱いが異なる場合は、税理士へ確認しましょう。

社用車をローン・リースで導入した場合の会計処理

ローンとリースは毎月支払いが発生しますが、所有関係と会計処理が異なります。ローン購入は車両を固定資産に計上し、元金と利息を分けます。リースは、契約内容や適用する会計基準によって処理方法が変わります。

月額だけでなく、利息・契約終了時の精算・走行距離制限などを含む総負担を比較しましょう。

ローン購入は車両を資産計上し、元金と利息を分けて処理する

ローン購入でも、取得価額を「車両運搬具」に計上して減価償却します。返済する元金は借入金・未払金の減少であり、経費にはなりません。

元金と利息が区分されている場合は、利息を「支払利息」で処理します。取得価額300万円の車両を頭金50万円・ローン250万円で購入する場合、借方に「車両運搬具300万円」、貸方に「普通預金50万円」「長期未払金250万円」を計上します。返済時は、元金を長期未払金の減少、利息を支払利息として処理します。

カーリースは契約内容に応じた方法でリース料を処理する

企業会計基準第34号を早期適用せず、従来基準を用いる企業では、ファイナンス・リースを原則として売買取引に準じて処理し、オペレーティング・リースはリース料を費用処理します。

中小企業の会計に関する指針などでは、所有権移転外ファイナンス・リースを賃貸借処理できる場合があります。税務上、売買があったものとされる所有権移転外リース取引は、原則としてリース期間定額法で償却します。

企業会計基準第34号は、2027年4月1日以後に始まる事業年度から原則適用され、2025年4月1日以後に始まる事業年度から早期適用できます。適用企業の借手は、短期・少額リースなどを除き、原則として使用権資産とリース負債を計上します。

メンテナンスリースでは、自動車税・車検・整備・保険などの対象範囲と、走行距離制限・中途解約金・原状回復費・残価精算・契約満了後の扱いを確認しましょう。

購入・ローン・リースの支払総額と会計処理の違いを比較する

現金購入・ローン購入・リースは、初期費用・月額負担・所有権・維持費・契約終了後の扱いが異なります。

比較項目 現金購入 ローン購入 リース
初期費用 車両代金などを一括払い 頭金・諸費用など 契約により抑えられる場合あり
月額負担 原則なし 元金・利息を返済 リース料
所有権 購入者 原則として購入者 原則としてリース会社
減価償却 購入者 購入者 契約・会計基準によって異なる
維持費 自社で負担 自社で負担 月額料金に含まれる場合あり
途中解約 - 繰上返済の条件を確認 制限・解約金がある場合あり
契約終了後 継続保有・売却 継続保有・売却 返却・再リース・買い取りなど

予定使用年数・年間走行距離・資金繰り・管理業務を確認し、満了時の精算額・返却費用を含む支払総額で比較しましょう。

社用車の維持にかかる費用の会計処理

ガソリン代・駐車場代・車検費用・保険料・修理費などは、業務利用分を経費として処理できます。ただし、支出の性質によって勘定科目や消費税区分は異なります。

車検の請求書には、点検整備費・自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料・代行手数料などが含まれるため、請求総額を一つの区分で処理せず、明細に沿って確認しましょう。

ガソリン代・駐車場代・高速料金を走行関連の費用として処理する

ガソリン代・駐車場代・高速料金は、「車両費」「燃料費」「旅費交通費」「地代家賃」などで処理します。同じ種類の支出には、継続して同じ科目を使いましょう。

費用の種類 主な勘定科目 保存する書類
ガソリン代・軽油代 車両費・燃料費・旅費交通費 領収書・給油明細
月極駐車場代 地代家賃・車両費 契約書・請求書
コインパーキング代 旅費交通費・車両費 領収書・利用明細
高速道路・有料道路料金 旅費交通費・車両費 ETC利用明細・領収書

ETC利用明細は訪問予定・運転日報と照合し、私用分が含まれる場合は業務利用分のみを計上します。

車検時の整備費・税金・保険料を支出内容ごとに処理する

車検費用には、課税・非課税・課税対象外の支出が混在します。勘定科目をまとめる場合も、消費税区分は明細ごとに分けます。

支出内容 主な勘定科目 消費税区分
点検整備費・通常の部品交換費 車両費・修繕費 原則として課税
自動車重量税 租税公課 課税対象外
自賠責保険料 保険料 非課税
国等へ納める法定の検査手数料 租税公課・支払手数料など 非課税
整備工場・販売店への検査・代行手数料 支払手数料・車両費 原則として課税

複数年分の保険料は、原則として保険期間に応じて費用を配分します。ただし、支払日から1年以内に役務提供を受ける前払費用は、継続適用などの要件を満たせば支払時に処理できる場合があります。

修理費・洗車代・部品交換費を内容に応じた勘定科目で処理する

事故・故障で低下した機能を元に戻す修理は、「修繕費」または「車両費」で処理します。洗車代・オイル交換・ワイパー交換・通常のタイヤ交換なども、「車両費」「修繕費」「消耗品費」などで処理します。

車両の価値を高める改造や、使用可能期間を延長する支出は、資本的支出に該当する場合があります。原則として、元の車両と種類・耐用年数を同じくする新たな減価償却資産として処理し、一定の場合は合算して償却できます。

判断時は金額だけでなく作業の目的・内容を確認し、見積書・請求書・交換部品・施工前後の資料を保存しましょう。判断が難しい場合は、税理士へ確認して下さい。

社用車の利用実績を記録して経費を削減する方法

車両ごとの走行距離・稼働率・利用目的と費用を同じ単位で管理すると、維持費が高い車両や稼働率の低い車両を特定できます。利用実績を基に、保有台数や配置・運用方法を見直しましょう。

車両ごとの走行距離・利用目的・維持費を記録する

車両台帳には、車両番号・ナンバー・車種・所属拠点・主な利用者・購入日または契約開始日を登録します。運転日報には、利用日・運転者・出発と到着の時刻・訪問先・利用目的・走行距離を記録しましょう。

燃料費・駐車場代・高速料金・保険料・車検費・修理費・税金も車両番号とひも付け、月単位で集計します。購入車両とリース車両は固定費の構成が異なるため、契約期間・月額料金も記録し、入力方法を統一します。

走行距離と維持費を同じ車両単位で管理すれば、1km当たりの費用や1日当たりの保有コストも算出できます。

稼働率と走行コストを比較して見直す車両を特定する

稼働率は、営業日数に対する利用日数や、利用可能時間に対する走行時間など、自社に合う基準で算出します。1km当たりコストには、燃料費の他、減価償却費またはリース料・保険料・税金・整備費・駐車場代などを含めます。

リース料に税金・保険料・整備費が含まれる場合は重複計上を避け、購入車両とリース車両で比較範囲をそろえます。同じ用途・拠点の車両を比較し、稼働率が低い車両や1km当たりコストが高い車両について、保有継続・配置転換・共同利用・売却を検討しましょう。

季節業務・緊急時の予備車は保有目的も踏まえて評価し、改善後も同じ期間・指標で推移を確認します。

GPSで走行履歴を可視化して日報作成と車両管理を効率化する

GPS車両管理システムでは、現在位置・走行ルート・出発と到着の時刻・走行距離・停車時間などを記録できる場合があります。取得項目・保存期間はサービスごとに異なるため、導入前に確認しましょう。

日報の補完・自動作成に活用すると、記入漏れを減らし、訪問先や走行距離も照合しやすくなります。ただし、訪問目的は走行履歴だけでは分からないため、営業予定・配送指示と組み合わせます。

取得目的・取得時間・閲覧権限・保存期間を定め、勤務時間外の位置情報を取得しないなど、プライバシーにも配慮が必要です。導入目的と運用ルールは、事前に従業員へ周知しましょう。

社用車の経費と利用状況を一体的に管理しよう

車両番号を共通項目として、月ごとの総費用・走行距離・稼働日数・1km当たりコスト・事故や修理の件数を一つの管理表にまとめます。費用と利用実績を同じ車両単位で確認すると、コストが増えた原因を把握しやすくなります。

前月・前年同月と比較し、燃料費が増えた場合は、走行距離の増加・燃費悪化・不要なアイドリング・業務外利用などに分けて原因を確認しましょう。

分析結果から、車両の入れ替え・保有台数の削減・運行ルートの変更・運転方法の改善を行い、同じ期間・指標で効果を確認します。配車の遅れや業務負担の増加も確認して下さい。

領収書・契約書・走行記録を残して経費計上の根拠を明確にする

社用車の支出を説明できるよう、次の書類を車両ごとに保存します。

  • 売買契約書
  • ローン契約書
  • リース契約書
  • 請求書
  • 領収書
  • 車検証
  • 保険証券
  • ETC利用明細

帳簿書類の保存期間は、法人・個人事業主の別や書類の種類によって異なります。走行記録も、業務利用割合や家事按分の根拠として保存しておきましょう。

電子メール・クラウドサービス・Webサイトで受領した請求書・領収書は、改ざん防止措置を講じ、確認・出力できる状態で電子データのまま保存します。

なお、日付・金額・取引先による検索要件は一律ではありません。基準期間の売り上げ高が5,000万円以下で、税務職員のダウンロード要求に応じられる場合などは検索機能が不要となるため、適用要件を確認しましょう。

TTSの車両管理システムで経費・利用状況を可視化して運用改善

社用車の経費を見直すには、購入費や維持費の会計処理だけでなく、車両ごとの走行距離や稼働状況を継続的に把握することが重要です。会計データと利用実績を照合すれば、低稼働車両や1km当たりコストの高い車両を特定し、保有台数や運用方法の改善につなげられます。

TTSの車両管理システムでは、対応するGPS端末から取得した現在位置・走行ルート・駐車・アイドリング時間などをクラウド上で確認できます。走行履歴の検索・再生や、対応端末による運転日報・移動履歴の自動生成を活用することで、手書き日報や集計作業の負担も軽減できます。

走行距離や稼働時間を、燃料費・リース料・保険料・修理費などと車両ごとに照合すれば、不要な移動や高コスト車両の見直しに役立ちます。導入前に、取得項目・履歴の保存期間・日報出力・端末の設置方法・料金・契約期間・支援内容を確認し、自社の管理課題に合うシステムを選びましょう。

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