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2026年08月25日

アルコールチェックの数値の見方|基準値と検出時の対応・記録方法

アルコールチェックの数値の見方|基準値と検出時の対応・記録方法

社用車や配送車の運転前後にアルコールチェックを実施していると、0.05mg/Lや0.1mg/Lなどの数値が表示され、運転させて良いのか判断に迷うことがあるかもしれません。

酒気帯び運転の数値要件は呼気1Lにつき0.15mg以上です。しかし、0.15mg/L未満であれば企業が運転を認めて良いという意味ではありません。アルコールが検出された場合に適切に対応するには、数値の見方だけでなく、再測定や報告、運転可否の判断方法を社内で統一しておくことが重要です。

本記事では、アルコールチェッカーの数値と単位、法令上の基準値との違い、検出時の対応手順、誤検知への対処、記録・保存方法、車両管理との連携方法まで解説します。

アルコールチェックは0.15mg/L未満でも運転可と判断しない

アルコールチェッカーに0.05mg/Lや0.1mg/Lと表示されても、「0.15mg/L未満だから問題ない」と判断するのは適切ではありません。0.15mg/Lは酒気帯び運転として処罰の対象となる数値要件であり、企業がドライバーの運転を認めるために設けられた基準ではないためです。

測定結果を見る際は、0.00mg/L、0.15mg/L未満の検出値、0.15mg/L以上を分けて考える必要があります。0.00mg/Lは機器の範囲内で未検出、0.05mg/Lや0.1mg/Lは法令上の数値要件未満でもアルコールが検出された状態、0.15mg/L以上は酒気帯び運転の数値要件に該当します。

したがって、数値が検出された場合は基準値との大小だけで結論を出さず、社内で定めた手順に沿って報告や測定条件の確認、再測定を行い、管理者が運転可否を判断することが重要です。

アルコールチェッカーの数値・単位の見方

アルコールチェッカーの測定値は、主に呼気中に含まれるアルコール濃度を示します。ただし、測定可能な範囲や検知下限、表示方法は製品ごとに異なります。一定濃度未満を0.00mg/Lと表示する機器もあるため、0.00mg/Lが示す範囲も機器の仕様によって異なります。

測定結果を確認する際は、単位に加えて、使用機器の測定範囲・検知下限・表示仕様を取扱説明書で把握することが重要です。

「mg/L」と表示数値の読み方

mg/Lは、呼気1L当たりに含まれるアルコールの質量を示す単位です。例えば0.15mg/Lは、呼気1L中に0.15mgのアルコールが含まれている状態を表します。アルコールチェッカーに表示される0.05mg/Lや0.1mg/Lも、測定した時点の呼気中アルコール濃度を示す数値です。

表示値は飲酒量や酔いの程度を直接表すものではありません。アルコール濃度は、体格や体質、食事、飲酒量、飲酒から測定までの経過時間などによって変化します。そのため、酒の種類や杯数から測定値を正確に逆算することはできず、表示値は測定時点の結果として扱う必要があります。

また、呼気中アルコール濃度と血液中アルコール濃度は、単位や法令上の基準の表し方が異なります。mg/Lで表示された測定値を血中アルコール濃度として読み替えず、実際にアルコールチェッカーへ表示された単位に沿って確認することが必要です。

「0.00mg/L」と機器ごとの表示仕様

0.00mg/Lは、使用したアルコールチェッカーで測定した結果が0.00mg/Lと表示されたことを示しますが、体内のアルコールが完全にゼロであることを証明する数値ではありません。製品によっては、一定濃度未満を0.00mg/Lと表示する仕様のものもあるためです。

アルコール検知器は、測定可能範囲や小数点以下の表示桁数、検知時の知らせ方などが製品ごとに異なります。呼気中のアルコールを検知し、その有無または濃度を警告音、警告灯、数値などで示す機器があるため、数値を表示しない機器でも所定の要件を満たす場合があります。

測定結果を判断材料にする前に、取扱説明書で検知下限や測定範囲、表示仕様を確認することが重要です。同じ0.00mg/Lでも、機器によって表示に至る条件が同一とは限りません。

複数拠点で異なる機種を使う場合は、仕様の違いによって担当者の判断が変わらないよう、機種ごとの取扱方法や確認手順を整理して共有する必要があります。

酒気帯び運転の基準値と社内の判断基準

法令上の基準値は、酒気帯び運転として処罰や行政処分の対象となるかを判断するためのものです。一方、企業の運転可否基準は、安全に業務を行うための社内ルールとして設けます。

企業は測定数値だけでなく、顔色や応答の声の調子なども確認し、運転を停止する条件を明確にしておく必要があります。

法令上の酒気帯び運転・酒酔い運転の基準

酒気帯び運転の数値要件は、呼気中アルコール濃度0.15mg/L以上です。行政処分は濃度によって異なり、下表のように0.15mg/L以上0.25mg/L未満と0.25mg/L以上0.5mg/L未満で基礎点数が異なります。

呼気中アルコール濃度・状態 基礎点数 区分
0.15mg/L以上0.25mg/L未満 13点 酒気帯び運転
0.25mg/L以上0.5mg/L未満 25点 酒気帯び運転
0.5mg/L以上、またはアルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態 35点 酒酔い運転

また、2026年7月21日施行の道路交通法改正により、酒酔い運転には呼気中アルコール濃度0.5mg/L以上という数値基準が新たに設けられました。ただし、0.5mg/L未満でも、アルコールの影響によって正常な運転ができないおそれがある状態と認定されれば、酒酔い運転に該当します。

一方、0.15mg/L未満であれば自由に運転できるわけではありません。警察庁は、0.15mg/L未満でも酒気を帯びて車両を運転することは禁止されていると明示しています。企業も違反点数や刑罰の境界だけで判断せず、アルコールが検出された段階で安全管理上の対応を始めることが重要です。

企業が定める運転可否の判断基準

企業では、アルコールが検出された場合に運転をいったん見合わせ、「管理者への報告測定」「条件の確認」「必要に応じた再測定」「運転可否の決定」までの流れを社内基準として定めておくことが重要です。0.05mg/Lや0.1mg/Lなど、法令上の数値要件を下回る場合も、運転者本人の判断だけで運転を再開させないよう、社内で対応を統一しておきましょう。

安全運転管理者による酒気帯び確認では、アルコール検知器の測定結果だけで判断しません。運転者の顔色・呼気の臭い・応答の声の調子なども目視等で確認します。対面での確認が困難な場合には、カメラ等を通じて顔色や応答の声の調子などと測定結果を確認する方法も示されています。

また、0.00mg/Lでも運転者に明らかな異常がある場合や、本人から飲酒の申告があった場合は、数値だけを理由に運転可能と判断するべきではありません。0.05mg/Lや0.1mg/Lが出た場合、再測定で0.00mg/Lになった場合など、判断に迷いやすい条件と対応手順を社内規程に盛り込み、担当者や拠点による判断の差を防ぐことが大切です。

数値が検出された場合の対応手順

アルコールが検出された際に重要なのは、0.00mg/Lが出るまで測定を繰り返すことではなく、最初の測定結果を起点に安全を確保することです。

運転者自身に判断を任せず、管理者が測定条件や本人の状態を確認した上で対応を決めます。初回値や再測定結果、判断理由も残し、後から経緯を確認できる運用にしておく必要があります。

運転を止めて管理者へ報告する

最初の測定で0.00mg/Lを超える数値が出た場合は、いったん車両の使用を止め、運転者本人の判断で運転を開始させない運用が適切です。自社の制度に応じて、安全運転管理者や運行管理者などの管理者へ連絡し、測定結果と運転者の状態を確認してもらいます。

報告する内容は、運転者名、測定日時、表示された数値、使用予定の車両、直前の飲酒・飲食状況などをあらかじめ社内で決めておくと、確認漏れを防ぎやすくなります。すでに運転中である場合は、安全な場所に停車したうえで管理者へ連絡し、運転を継続させない対応を取ります。

安全運転管理者が酒気帯び確認を行えない場合は、事前に指定・教育した補助者が確認を担当することも可能です。ただし、補助者が運転者の酒気帯びを確認した場合は、安全運転管理者へ速やかに報告し、指示を受けるなど必要な対応につなげなければなりません。運転を中止する場合は、代替ドライバーや別の移動手段も手配します。判断者も明確にしておきましょう。

測定条件を確認して再測定する

数値が検出された場合は、飲酒以外の要因が測定結果に影響していないかを確認します。ガムや発酵食品などの飲食物、アルコールを含む洗口液、たばこ、手指消毒剤などで検知器も反応する場合があるため、直前の飲食や使用状況、周囲にアルコール成分が残っていないかを確認しましょう。

併せて、息の吹き込み方などの測定方法に誤りがないか、検知器に汚れや損傷、エラーがないか、使用期限やセンサー交換時期を超えていないかも確認します。口腔内の影響が疑われる場合は、水でうがいをし、必要な時間を空けて再測定します。

それでも反応する場合は運転を認めず、社内手順にしたがって対応します。0.00mg/Lが出るまで測定を繰り返さないよう、再測定の方法や回数も定めておきましょう。機器の異常が疑われる場合は、正常な別の検知器で確認します。

運転可否と代替対応を決定する

再測定でもアルコールが検出された場合は、0.15mg/L未満であっても運転を中止し、アルコールの影響がないことを確認できるまで車両を使用させない運用が適切です。国土交通省も、自動車運送事業者向けの案内で、うがいや時間を置いた再測定後も反応する場合は、体内にアルコールが残っている可能性があるため乗務させないよう示しています。

再測定で0.00mg/Lになった場合も、数値だけを見て自動的に運転可能と判断しないことが重要です。最初に数値が出た原因や飲酒状況、顔色や応答の声の調子などの確認結果を踏まえ、あらかじめ定めた社内基準に沿って、管理者が運転可否を判断します。

運転を中止する場合は、「代替ドライバーへの交代」「配車変更」「公共交通機関の利用」「配送や訪問予定の変更」など、業務を継続するための代替対応を行わなければなりません。最初の測定値、再測定結果、管理者の判断と指示、代替対応までを一連の経緯として記録しておけば、後から判断理由や車両の利用状況を確認しやすくなります。

アルコールチェックを継続するための記録・管理ルール

アルコールチェックを継続的に運用するには、測定結果を保存するだけでなく、運転可否の判断基準、報告経路、記録方法、検知器の管理方法まで社内ルールとしてそろえることが重要です。担当者ごとに対応が異なると、数値が検出された際の判断や記録にばらつきが生じます。

複数拠点や交代勤務がある企業では、管理者が不在となる時間帯も想定し、誰が確認・判断・記録を担うのかを事前に決めておきます。補助者を置く場合の報告方法や、直行直帰時の確認手順まで明確にすると、運用を統一しやすくなります。

測定結果と対応経緯の記録・保存

安全運転管理者による酒気帯び確認では、確認者名、運転者の氏名、車両の登録番号など、確認日時、確認方法、酒気帯びの有無、指示事項、その他必要な事項を記録し、1年間保存する必要があります。法令で定められた項目を漏れなく残せるよう、記録様式を統一しておくと管理しやすくなります。

安全運転管理者制度では、アルコール検知器の測定数値そのものは法定の記録項目として明記されていません。ただし、数値が検出された際の判断経緯を確認できるよう、最初の測定値や再測定結果を社内の記録項目として追加しておく方法があります。運転中止やドライバー交代、配車変更などの対応内容も残せば、その後に対象の運転者や車両が使用されていないか確認しやすくなります。

なお、運送事業者に適用される点呼制度と、安全運転管理者制度は別の制度です。点呼で必要となる確認・記録事項は事業の種類などによって定められているため、自社に適用される制度を確認し、それぞれの要件に沿って記録・保存する必要があります。

判断基準と報告経路の明文化

判断のばらつきを防ぐには、運転を停止する条件と報告経路を社内規程に明記することが重要です。アルコール検知器で数値が検出された場合だけでなく、目視等で異常が確認された場合や、運転者本人から飲酒の申告があった場合も対象として整理します。

併せて、再測定の方法や使用する検知器、管理者へ報告するタイミング、最終的に運転可否を決定する担当者を定めます。複数拠点がある企業では、基本的な判断手順を全社で共有しておくと対応を統一しやすくなります。

安全運転管理者が酒気帯び確認を行えない場合は、あらかじめ指定し、確認方法について指導・教育した補助者に担当させることも認められています。補助者が酒気帯びを確認した場合は、安全運転管理者へ速やかに報告し、必要な指示につなげる体制が必要です。

夜間や休日、直行直帰でも運用が止まらないよう、緊急連絡先や遠隔確認の方法も定めます。管理者と連絡が取れない場合の対応まで明文化しておけば、担当者が独自に判断する事態を防ぎやすくなります。

検知器の点検・交換ルール

アルコール検知器は、正常に作動し、故障がない状態で使用できるよう管理する必要があります。安全運転管理者には検知器を「常時有効に保持」することが求められており、製作者が定めた取扱説明書に基づいて適切に使用・管理・保守し、定期的に故障の有無を確認します。

点検内容は、適用される制度と機器の仕様に沿って決めます。例えば運送事業者については、国土交通省によって、電源が確実に入ることや損傷がないことを毎日確認し、少なくとも週1回、酒気を帯びていない者では検知しないことなどを確認することが定めています。使用回数や使用期限、センサー交換、校正などがメーカーから指定されている機種では、その基準も管理対象に含めます。

故障や交換の際にも確認業務を止めないため、予備機を用意する場合は保管場所や使用開始前の確認方法まで決めておくと運用を継続しやすくなります。複数拠点で異なる機種を使う企業では、清掃方法、保管環境、測定前の待機時間などを取扱説明書に基づいて機種別に整理し、担当者へ共有しておきます。

数値が出た場合の対応と車両管理を見直そう

アルコールチェックで数値が検出された場合は、0.15mg/L未満であっても、その数値を理由に運転を認めず、一旦運転を止めて管理者が運転可否を判断する運用が重要です。検出時の報告先から再測定の方法、判断を行う担当者、代替ドライバーの手配方法まで社内ルールとして明文化しておけば、担当者や拠点ごとの対応のばらつきを抑えられます。

さらに、運転者・車両・利用日時・位置情報や稼働状況をひも付けて確認できる仕組みを整えると、確認漏れや検出後の車両使用、配車変更の状況を把握しやすくなります。

TTSの車両動態管理システムでは、リアルタイムの位置情報や移動履歴、車両とドライバーのひも付け、稼働データを基にしたレポートなどを一元的に管理できます。既存のアルコールチェック記録と併用することで、数値が検出された後の車両の動きまで追いやすくなり、より確実な車両管理につながります。

よくある質問

0.05mg/Lや0.1mg/Lなら運転してもよいですか?
0.00mg/Lなら体内のアルコールは完全にゼロですか?
0.15mg/L未満なら酒気帯び運転にはなりませんか?
飲酒量から測定数値や運転可能時刻を計算できますか?

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