お役立ちコラム

2026年06月25日

運転者台帳とは?作成義務と必須の記載事項、注意点を分かりやすく解説

運転者台帳とは?作成義務と必須の記載事項、注意点を分かりやすく解説

車両と従業員の安全を守るために、運送事業者では運転者台帳の適切な管理・運用が欠かせません。しかし、運転者台帳の作成・管理を担う多くの人が、記載項目や作成・管理の方法が分からないという悩みを抱えているのではないでしょうか。 本記事では、運転者台帳の作成・管理を担う企業の担当者に向けて、運転者台帳作成の概要や具体的な作成方法、さらに、効率的な車両管理・運用のポイントについても解説します。

運転者台帳とは?

運送事業者は、車両や従業員の安全を守るために、運転者台帳の定義や役割、必要性について理解しておくことが大切です。

ここでは、運転者台帳の概要と他の用語との違いについて解説します。

運転者の情報が記載された台帳

運転者台帳とは、運送事業者に選任された運行管理者が作成する、運転者についての情報が記載された台帳のことです。

一般貨物自動車運送事業者(以後、「運送事業者」)は、運転者台帳を作成して備え置かなければならないことが、「貨物自動車運送事業輸送安全規則」で法定されています。そのため、交通事故・違反を未然に防止するために、運転者台帳は法律に基づいて作成・運用されていく必要があります。

原則、正社員・契約社員といった雇用形態にかかわらず、運転者として雇用されている全ての人が、運転者台帳の記載対象です。

しかし、以下の人に関しては、法律によって記載が不要であることが定められています。
・日雇い労働者
・2ヶ月以内の期間を定めて雇用される者
・試用期間中の者(14日を超えて引き続き使用されるに至った場合は除く)

運転者台帳の必要性

正しく運転者台帳を作成・管理していくために、必要性について理解しておきましょう。

運転者台帳には、運転者の交通違反歴や事故歴、健康診断・適性診断の結果などさまざまな情報が記載されています。こうしたデータは、事故の原因分析や再発防止策の検討、安全運転教育などに役立てることが可能です。また、運転者の特性や体調を考慮して稼働管理を行うなど、運行管理計画の策定にも活用できます。

車両や従業員の安全意識を高めるためには、社内の安全教育に役立つシステムの導入がおすすめです。TTS株式会社が提供する車両動態管理システムなら、車両のリアルタイムな位置把握と正確な分析により、安全運転教育に役立てられます。

保存期間

運転者台帳の保存期間は、3年間です。この保存期間は、在職している人だけでなく、退職者も対象となります。退職や異動が生じた場合は、3年間適切に台帳が保存されるように管理体制を整えましょう。

似た言葉との違い

運転者台帳の概要をきちんと理解するために、混同されやすい他の用語との違いについて解説します。

まず、各用語の概要を以下の表にまとめました。それぞれ根拠となる法律が異なる点も押さえておきましょう。

名称内容
運転者台帳運転者の氏名・生年月日・交通事故や違反歴などの情報が記載された台帳。運送業者が作成。「貨物自動車運送事業輸送安全規則」が根拠
乗務員台帳運転者台帳と同じ内容の台帳。バスやタクシーなど旅客自動車運送業者が作成。「旅客自動車運送事業運輸規則」が根拠
労働者名簿従業員の氏名や生年月日といった情報を記載した書類。「労働基準法」が根拠

では、「乗務員台帳」「労働者名簿」について解説します。

乗務員台帳との違い

乗務員台帳も運転者台帳と同じく、運転者の情報を記録する台帳で、「旅客自動車運送事業運輸規則」という法令に基づいて作成します。記載する項目についても、運転者台帳と変わりません。

運転者台帳と異なるのは、作成者です。「運送事業者」が作成する運転者台帳とは異なり、バスやタクシーといった「旅客自動車運送業者」が作成するのが、乗務員台帳です。

労働者名簿との違い

労働者名簿とは、従業員の氏名や生年月日といった情報を記載した書類のことで、労働基準法で定められています。

労働基準法では、具体的に以下の項目を記載すべきと規定されています。

・性別

・住所

・従事する業務の種類

・雇入の年月日

・退職の年月日及びその事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)

・死亡の年月日及びその原因

出典:労働基準法施行規則第53条

運転者台帳で記載すべき10の必須項目

運転者台帳を作成する際は、法律で定められている項目の記載が必要です。

「貨物自動車運送事業輸送安全規則」第9条の5では、下記10項目の記載が必要だと定められています。
・作成番号及び作成年月日
・事業者の氏名または名称
・運転者の氏名、生年月日及び住所
・雇入れの年月日及び運転者に選任された年月日
・運転免許に関する事項
・交通事故歴・交通違反歴
・運転者の健康状態
・輸送安全規則第10条第2項(従業員に対する指導及び監督)の規定に基づく指導の実施及び適性診断の受診状況
・運転者台帳の作成前6月以内に撮影した写真
・運転者でなくなった年月日及び理由

ここからは、それぞれの記載項目と内容について解説します。

作成番号及び作成年月日

企業が自由に設定できる「作成番号」や、作成した年月日を記載します。

作成番号については、社員番号を割り当てるなど、重複がないように気をつけましょう。また、入社年月日とは異なりますので、混同しないように注意が必要です。

事業者の氏名または名称

個人事業主の場合は事業者の氏名、法人の場合は事業者の名称の記載が必要です。「株式会社」「屋号」などの抜けがないようにして、正式名称を記載しましょう。なお、営業所が複数ある企業の場合は、営業所まで記載します。

運転者の氏名、生年月日及び住所

運転者の氏名や生年月日、住所を記載します。結婚や引っ越し、転勤などで運転者の情報が変わる場合は、都度更新することを忘れないようにしましょう。

雇入れの年月日及び運転者に選任された年月日

運転者を雇用した年月日、あるいは、運転者として選任した年月日を記載します。運転者として選任した日とは、当該運転者の雇入後に実施される研修が終了し、稼働し始めた年月日のことです。混同されやすいため、区別して適切に記載しましょう。

運転免許に関する事項

運転者の運転免許に関する内容を記載します。運転免許証のコピーを貼付するといった対応でも問題ありません。

運転者台帳に直接記載する際は、主に以下の項目を記載しましょう。
・運転免許証の番号
・運転免許証の有効期限
・運転免許証の年月日
・運転免許証の種類
・その他条件

運転免許を更新した際は、都度情報を変更することを忘れないようにしましょう。

交通事故歴・交通違反歴

運転者の交通事故歴・違反歴についても、漏れのないように記載しましょう。

交通事故で当該運転者が第一当事者の場合と、交通違反の場合の記載内容は以下の通りです。

<運転者が第一当事者の場合>
・交通事故の発生日時
・交通事故が発生した場所
・損害の程度を含む交通事故の内容

運転者が第二当事者の場合は、運転者台帳への記載は不要です。第一当事者なのかどうかの判断が難しい場合は、「保留」であることを記載しましょう。

<交通違反の場合>
・違反の種別
・違反があった場所
・違反を起こした年月日

交通違反については、道路交通法に基づき、公安委員会から使用者へ通知が届きます。運転者台帳への記載については、原則として、通知があった違反歴を記載しますが、従業員の安全教育に活かしていくためには、通知の有無にかかわらず全ての違反歴について記載することが推奨されています。

運転者の健康状態

運転者の健康診断の実施日や診断結果について記載します。

以下のように、直接記載する以外の方法で対応することも可能です。

・健康診断個人票※1

・健康診断結果通知のコピー※2

・健康診断の受診日と、「健康診断結果は別紙」と記載の上、健康診断結果を別途保存

※1労働安全衛生規則第51条に基づく記載

※2労働安全衛生規則第51条の4に基づくもの

貨物自動車輸送安全規則第10条第2項(従業員に対する指導及び監督)の規定に基づく指導の実施及び適性診断の受診状況

「貨物自動車輸送安全規則第10条第2項」には、死者や負傷者が生じた事故を起こした運転者や初めて運転者として雇用した従業員に対して、安全確保のために必要な項目について指導や監督を行い、適性診断を受診させなければならないと定められています。

運転者台帳には、当該運転者に対して指導・監督指導を実施した年月日と内容を記載します。

また、適性診断を受診させた場合は、「初任診断」「適齢診断」「特定診断」など、実施した診断の年月日と内容を記載しましょう。個人で適性診断を受診した場合も、漏れのないように記載する必要があります。

運転者台帳の作成前6ヶ月以内に撮影された写真

運転者台帳の作成前6ヶ月以内に撮影された、以下の様式の写真が必要です。この写真については、運転免許証の写真と異なるものでなければなりません。

<運転者台帳作成に必要な写真の様式>
・単独
・上3分身
・無帽
・正面
・無背景

運転者でなくなった年月日及び理由

退職者や異動になった従業員については、運転者としての業務から離れた年月日とその理由を記載しましょう。同様に、運転者が死亡した場合も、記載が必要です。

車両や従業員の交通事故を未然に防ぐためには、運転者台帳に情報を適切に記載することが重要です。そのためには、日頃から車両に関する情報を正確かつ効率的に取得できる環境を整備しておく必要があります。

TTSの車両動態管理システムを導入すれば、リアルタイムな位置情報と業務日報、安全運転の記録もまとめて管理でき、業務効率化を期待できます。

運転者台帳の未作成や不備がある場合の罰則規定

運転者台帳の作成は、法律で定められています。そのため、作成していなかったり、不備があったりする場合は、以下の罰則が課される可能性があります。

・5名以下作成なしの場合:初違反 警告/再違反 10日車

・6名以上作成なしの場合:初違反 10日車/再違反 20日車

・全て作成なしの場合:初違反 20日車/再違反 40日車

・記載事項等不備の場合:初違反 警告/再違反 10日車

・運転者台帳保存義務違反の場合:初違反 警告/再違反 10日車

〇日車とは、〇日間車両の使用が停止するということ

参照:貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について別表(国土交通省)

罰則の対象にならないように意識を持つことも重要ですが、車両や従業員の安全を守るという運転者台帳作成の役割もきちんと押さえておくことが重要です。

車両管理を円滑に進めるための運転者台帳の書き方ポイント

運転者台帳を適切に作成することは、車両の円滑な管理につながります。しかし、単にテンプレートの通りに記載すれば良いわけではありません。基本的なルールに則して、自社に合う形で作成していくことが重要です。

ここでは、運転者台帳の書き方のポイントについて解説します。

自社の車両管理に即した書式・テンプレートにする

運転者台帳には決まった書式はなく、インターネットに出てくるテンプレートをダウンロードして活用できます。作成する際は、テンプレートを参考にして、自社の社用車運用・管理に合うフォーマットで作成しましょう。

事故や違反の発生時など、急を要する際に運転者台帳が必要となるケースが多いため、作成・更新がしやすいテンプレートを選ぶことが重要です。自社の車両管理に合わないテンプレートをそのまま利用すると、修正に時間や手間がかかってしまうでしょう。

退職者の情報も適切に管理する

前述の通り、退職者や死亡者の情報についても、運転者台帳を3年間保管する必要があります。抜けのないように管理しましょう。現職者・退職者にかかわらず、その運転者の情報をスピーディーに引き出せるように管理・更新していくことが重要です。

必要に応じてデジタル化も検討する

効率的に運転者台帳を作成・運用していくためには、自社の運用体制に合わせてデジタル化を進めていくことが大切です。

当然のことながら、その企業に属する運転者の人数が多くなるほど、運転者台帳に記載すべき情報量も多くなります。エクセルや紙での管理だと、どうしても記載ミスや抜けが多くなりがちです。また、未記載や不備により罰則の対象となると、企業の透明性や信頼性を揺るがす事態にもなりかねません。

最近では、運転者台帳の作成や管理、修正作業の他、運行管理や点呼、労務情報の管理に対応する機能が搭載されているツールも出ています。次のセクションからは、車両管理を効率的に進めるためのおすすめのシステムを紹介します。

TTSソリューションの導入で効率的な車両管理を実現できる

運転者台帳の作成・運用には、日常における効率的な車両管理が欠かせません。車両管理で業務効率化と安全性を両立させるなら、TTS株式会社が提供する車両動態管理システムの導入がおすすめです。

リアルタイムな位置情報や移動履歴をもとに、車両の動きと現場状況を可視化できます。また、車両と運転者を紐づけ管理し、稼働データをもとにしたレポートを自動で出力できるようになります。煩雑なバックオフィス業務を効率化できるでしょう。

紙やエクセルでの管理が煩雑で非効率である点に課題を感じている、属人的な配車計画から抜け出せずに悩んでいるという企業の担当者は、TTSソリューションの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ|運転者台帳の活用で円滑な車両管理を実現しよう

本記事では、社用車の運用を担う企業の担当者に向けて、運転者台帳作成の必要性や具体的な作成方法について解説しました。

運転者台帳とは、運転者の情報が記載された台帳のことです。一般貨物自動車運送事業者は、運転者台帳を作成して、備え置かなければならないことが、法律で定められています。
台帳には、運転者の交通違反歴や事故歴、健康診断・適性診断の結果などの情報が記載されており、こうしたデータは、事故の原因分析や再発防止策の検討、安全運転教育などに役立ちます。

運転者台帳を作成する際は、自社に合う形でデジタル化を進めて、業務効率化を図ることが重要です。TTS株式会社では、効率的に車両管理を行うためのさまざまなシステムを提供しています。安全と業務効率化の両立を実現するために、ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。

SHARE

この記事をシェアする

人気ランキング

車両管理の基礎知識に関する記事

製品・機能の活用術に関する記事

コスト削減・業務効率化に関する記事

防犯・紛失対策に関する記事

TOP