お役立ちコラム
コンテナの追跡とは?海上輸送中のコンテナの位置を把握する方法を解説
輸入や輸出を日常的に行う貿易事業者や製造業・商社などでは、海上輸送中のコンテナの位置を把握したいというケースも多いでしょう。海上輸送中のコンテナは追跡(トラッキング)が可能です。コンテナの位置を正確に把握することは、顧客対応の質向上や業務の効率化において非常に重要です。 本記事では、コンテナの追跡方法とコンテナを追跡することの効果について解説します。
- 目次
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- 1. なぜコンテナ追跡が必要なのか?
- 1-1. 輸出入・EC物流業務における「見えない貨物」のリスク
- 1-2. リードタイムの短縮とカスタマー対応に直結する「可視化」
- 1-3. サプライチェーン全体に与える影響
- 2. コンテナ追跡の方法と仕組み
- 2-1. コンテナ番号による追跡
- 2-2. B/L番号による追跡
- 2-3. AISデータによる追跡
- 2-4. GPSデバイスによる追跡
- 3. 追跡情報の有効活用と可視化の効果
- 3-1. 社内オペレーションへの活用
- 3-2. 異常検知・遅延対応のスピード向上
- 3-3. 顧客満足度と信頼性の向上に寄与するデータ共有
- 4. コンテナ追跡導入時に直面する課題
- 4-1. 複数拠点・キャリアのデータ統合の問題
- 4-2. データ更新の遅延や精度の問題
- 5. TTSの資産管理システム「GPSトラッカー」でコンテナの追跡を効率化
- 6. コンテナ追跡で業務を効率化しよう
なぜコンテナ追跡が必要なのか?
コンテナを追跡することは、海外との取引を頻繁に行う企業にとって重要です。ここでは、コンテナ追跡が必要な理由について解説します。
輸出入・EC物流業務における「見えない貨物」のリスク
国際物流では、コンテナが乗った船が出港してから実際に手元に届くまで多くの時間がかかります。コンテナの輸送中に不測の事態が発生し、到着が予定より遅れてしまうことも少なくありません。コンテナの状況を把握していなければ、異変が起きてもすぐに気付けず、顧客への連絡や配送へのスケジュールを立てることも難しくなります。
コンテナを追跡することは、見えない貨物のリスクを軽減する上でも非常に重要なことです。
リードタイムの短縮とカスタマー対応に直結する「可視化」
コンテナを追跡し、コンテナの動きを可視化することで、リードタイムを短縮し、迅速な顧客対応が可能になります。遅延があった場合でも、コンテナの位置情報が分かれば、事前に対応をとることができます。
例えば、遅延が分かった時点で早急に顧客への情報共有を行うことで、信頼につながります。また、状況にあわせてスケジュールを調整することで、配送手配などを効率化することも可能です。
サプライチェーン全体に与える影響
コンテナ追跡は単に輸送のステータスを把握するだけではなく、サプライチェーン全体にも影響を与えます。コンテナの追跡情報をもとに、発注から納品までの工程の最適化やリードタイムの分析・改善にも活用できるでしょう。
コンテナ追跡の方法と仕組み
コンテナを追跡する方法はいくつかあります。コンテナを追跡する主な方法は下記の4つです。
- コンテナ番号による追跡
- B/L番号による追跡
- AISデータによる追跡
- GPSデバイスによる追跡
それぞれの方法の特徴や仕組みについて解説します。
コンテナ番号による追跡
コンテナ番号を船会社の追跡システムに入力することで、貨物のステータスを確認することができます。
コンテナ番号とは、国際標準化機構(ISO)によって規定されたルールに基づいて作成されており、世界中で統一されたフォーマットで管理されています。
コンテナ番号による追跡は、正確性・信頼性が高く、遅延などのスケジュール変更についても反映されるため、最新の状況にあわせた対応が可能です。
B/L番号による追跡
B/L(Bill of Lading)とは、「船荷証券」とも呼ばれるもので、貨物を預かったことを証明する書類です。B/Lに記載された番号を利用することでもコンテナを追跡可能です。こちらも船会社などのWebサイトの追跡システムに番号を入力することで、ステータスを確認できます。
AISデータによる追跡
AIS(Automatic Identification System)データを使って追跡することも可能です。AISとは船舶自動識別装置のことで、船舶同士が航行情報を交換するためのシステムです。船舶の位置や航路の情報を提供している「マリントラフィック」などのWebサイトで検索できます。
ただし、AISデータによる追跡は、コンテナ単位の追跡ではなく、船舶単位でのデータになります。
GPSデバイスによる追跡
コンテナにGPSデバイスを設置することでも追跡できます。GPSデバイスを活用することで、コンテナの正確な位置情報を知ることが可能です。GPSデバイスを使えば、位置情報が分かるだけでなく、不正検知にも応用することができます。
追跡情報の有効活用と可視化の効果
コンテナ追跡によって得た情報は、単に輸送のステータスとしてだけでなく、さまざまな視点で活用できます。ここでは、追跡情報の活用方法と期待できる効果について解説します。
社内オペレーションへの活用
コンテナの追跡情報は社内オペレーションに活用できます。コンテナの追跡情報を業務に組み込むことで、追跡情報をもとに迅速な対応や意思決定ができます。追跡情報を部署間で共有すれば、倉庫スタッフや営業など他部署との連携もスムーズに行えるでしょう。
異常検知・遅延対応のスピード向上
追跡情報があることで、輸送の遅延などの異常を素早く検知し、その後の対応のスピードを向上させることができます。例えば、コンテナの追跡により、コンテナの輸送が遅れていることを早期に察知できれば、別便手配や顧客連絡、在庫調整など事前に対応を行うことができます。
顧客満足度と信頼性の向上に寄与するデータ共有
追跡情報をもとに顧客に情報を共有することで、顧客の満足度や信頼性の向上につながります。例えば、現在の商品の位置を顧客に自動で通知すれば、顧客自身で状況を確認することができ、安心感を与えることができます。また、顧客からの問い合わせに対しても、現状や今後の見通しを含めて回答できるため、満足度の向上につながるでしょう。
コンテナ追跡導入時に直面する課題
コンテナを追跡する方法はさまざまありますが、追跡方法によっては課題もあります。ここでは、コンテナ追跡導入時に直面する主な課題を紹介します。
複数拠点・キャリアのデータ統合の問題
コンテナ追跡を行う場合、状況によりさまざまなサイトやサービスで確認する必要があります。担当者が複数のサイトを確認しなければならなかったり、データ形式が異なっていて統合しづらかったりするなどの問題が発生する可能性があります。また、手動で確認するため、ミスや遅れにつながる場合があります。
データ更新の遅延や精度の問題
コンテナを追跡できるサイトのシステムの更新が遅れたり、障害が発生したりした場合は、コンテナの追跡ができません。数日経ってから情報が更新されるケースもあり、遅延が発生したり、異常事態が発生したりした場合に気付くのが遅くなってしまいます。
TTSの資産管理システム「GPSトラッカー」でコンテナの追跡を効率化
TTS株式会社のコンテナ専用のGPSトラッカー「LTE GPSトラッカー」であれば、世界中の港湾間移動でのコンテナの正確な位置情報をリアルタイムで知ることができます。
国際物流や貿易事業者、製造業・商社、冷凍・冷蔵輸送などを行っている業者を対象に15,000台以上の海外実績があります。
主要機能は下記の通りです。
- シームレスなグローバルローミング:世界中の港湾間移動中のコンテナの正確な位置情報をリアルタイムで提供
- コンテナドア開閉監視:不審な開閉を即時通知
- 強力磁気マウント:金属面に瞬時装着可能
- 60日間スタンバイ可能(固定モード時)・IP65防塵防水性能
- 海外:コロンビア社で実証済み
- 自動モード切り替え:海上輸送の他に陸上輸送にも対応
- 温湿度センサー(オプション)
日本でも現在PoC(概念実証)を実施中で、2025年度にリリース予定になっています。
コンテナ追跡で業務を効率化しよう
海上輸送中のコンテナ情報を正確に把握することは、顧客満足の向上や業務の効率化につながります。コンテナの位置情報は、コンテナ番号やB/L番号、AISデータ、GPSトラッカーなどで追跡することができます。
それぞれの方法ごとに、メリット・デメリットがありますが、より正確な位置情報を得たい場合は、GPSトラッカーがおすすめです。TTS株式会社では、コンテナ専用のGPSトラッカーをご用意しておりますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせ下さい。
GPSデバイスによる追跡ならTTS
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